写真日記帖 トップ > 第1期 暮らしの記憶[赤荻武さん]

2009年05月19日
賞味期限が長いというか、写真はかなり「長持ち」します。
もちろん退色したりもするけど、そんなのは「ほどよく発酵した」って程度。
発酵が進むほどによい味わいをかもし出すものも少なくありません。
下に貼付けた写真は、芸術系の大学に通っていた、かれこれ10年以上前に撮ったもの。
箱に仕舞い込んであるから、見る機会は年に1回あるかないかの大掃除くらい。
自分のブログでも書いたけど、見るたびに、読むたびに、背筋をシャンとさせられます。
先輩のミニコミ誌に寄稿した文章も添えておきます。
どうですか?この写真。
「いいな」と思ってもらえたらうれしい。
でも、別にぼくをほめなくていいです。
この写真を撮ったのはぼくですけど、
アンテナを発明した人のほうが役に立ってるし、
取り付けた人のほうがしんどっかたろうし、
ぼくは偶然みつけただけだから。
だから、この感覚を共有できたことだけを素直に喜びましょう。
ぜったい、みんながこういう「いい」っていう感覚を持つことはあって、
ぼくはたまたまカメラをたずさえていて、
発表の機会にめぐりあえたってだけのことだと思います。
そういうことなので、こういう写真を「表現だ!」などとエバるのはもうよしましょうよ。
そりゃあ、発表までに工夫や苦労はそれなりにあるけど。
そんな己個人の存在を主張するのはやめといて、
誰の写真でもいいじゃない、その景色自体を喜びましょうよ。
でも、写真よりも実物のほうがいいに決まってるから、見にいきませんか。
でも、見つけた喜びのがでかいから、
そんなちっこい喜びを探しながらブラブラしてみる、てのはどう?
…ふんわりしてる風で、けっこう尖ってます。
10代の若造に説教されてるようで、萎える心持ちになりつつありますが。