どうして、こんなハッピーな写真が撮れるんだろう?
何げない街の一角で、ふとした一瞬に光が舞い降りたようなしあわせなシーン。このままじっと時が止まってしまえばいいのに。
「次の瞬間には、微笑みは消えているかもしれないけれど大切なのは、微笑みがあったという事実」
そう語り、そんな事実を写真にとどめたいとシャッターを押す写真家ハービー・山口さんに写真を撮るときに大事にしていることを聞いてみました。

人の写真を撮らせていただくうえで、一番大事なのは、撮る側の目線。僕が一番大事にしているのは、被写体を尊重することです。相手がビッグスターであれ、素人の方であれ、子どもでも、外国人でも、常に同じ。同等の人間としての目線で見るから、相手の一番いいところが見えるんです。
貧しくても、いい表情をしている人に出会ったら、僕は同じように撮らせてもらいます。その人は今は経済的には恵まれていないかもしれないけれど、人間としての魅力がすごくある。僕はその魅力をリスペクトして、シャッターを押します。

写真を始めた頃、いいなと思って見ていた写真が、東松照明や奈良原一高、アンリ・カルティエ=ブレッソンとかのモノクロの写真でした。
その白黒の潔さに惚れ込んだというか。白黒の世界のなかに、とぎすまされた人間の表情と美しい光と影が、カラーよりもくっきりと表れる気がしてモノクロで撮っています。
極端な言い方をすると、モノクロは究極のカラー写真なんだと思います。その人の表情や心を撮るときに、カラー写真に写った邪魔な色を取り除いていくと、結局はモノクロに行きつくんですよ。

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