浅田さんが写真専門学校に通っていたときに、課題作として撮った家族総出演の1枚の写真。そこから写真集になって08年の木村伊兵衛写真賞を受賞した「浅田家」。その撮影はどんな風に進められているのでしょう?
どの写真も、皆さんが役を楽しんでいますよね?
最初の頃は、何のためにそんなことをするのかが、わからなかったと思うんです。それに、地元で撮っているので、恥ずかしいし、休みはつぶれるし。
でも、今ではそれぞれが楽しんでくれています。とにかく息子、弟に協力してやろうという一心で受け入れてくれました。

シチュエーションを決めるのは、どうやって?
「次はこんなの撮ろうと思ってるんだけど」というと、「それなら、あそこは?」とアイデアを出し合って。場所や衣装、小道具も、ほとんどがお借りしたものか、家族みんなで作ったものです。
それぞれの場所で「貸してください」とお願いするんですが、みんな快く許可してくれて。三重の皆さんの協力のおかげだと思っています!

撮影はどんなペースで撮っているんですか?
主に土日を使って、日の出から日が沈むまでまるまる2日間撮っています。1日4シチュエーションというペースですから、かなりハードですよ(笑)。そこで光っているのが母です。何でもテキパキしているので、ハイ、ハイ、ハイ、とムダなく進行していきます。
家族皆さんの表情や動きが、絶妙ですね!
撮影にはテンポが大事で、セルフタイマーのリズムに合わせて、集中してみんなで気持ちを合わせ、シャッターが下りる瞬間へと盛り上げていくんです。1日の撮影が終わったら、自然に「一緒に晩飯、食おうか」という感じになる。そんな全体的な時間が、僕にとってはかけがえのないものなんです。

そんな風に同じ職業で家族を撮り始めて、何年になりますか?
もう8年ですね。撮り始めた頃から比べると、ただ親子という関係だけでは見えなかった両親のことがわかるようになったし、家族をどんどん身近に感じることができた。
撮り始めて5年ほどして、ふと気付いたんです。写真を撮ることで、家族がいい関係を築けているなと。そう感じたとき、写真をやってよかったと思いました。

浅田さんにとって、家族写真とは?
家族って、人生を送る上で一番身近なパートナーですよね。それが次第に一緒にできることが少なくなっていく…。そんな中で、あえて“記念日”をつくり一緒に写真を撮るだけで、家族であることを感じたり、生きていく意味を感じ取れたりする。
プリントした家族写真には、そういったことを確認させてくれるチカラがあると思います。

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