
写真が大好きな佐野史郎さんのフォトブック作り。アドバイス役は編集者・藤本智士さんです。
佐野さんは雑誌「Re:S」を通じて、編集長・藤本さんと意気投合しました。

佐野さんと写真との関わりは、いつ頃から?
ものごころが付いた頃からですね。母方の実家が写真館、父親も写真が趣味で、自分で現像したり引き延ばしているのを、ずっと見て育ちました。
でも僕自身は、音楽から芝居へと進み、写真に強く惹かれるようになったのは比較的最近のことなんです。

それはいつ頃、どんなきっかけで?
2000年に親父が亡くなり、遺品から古いアルバムがいっぱい出てきたんです。僕が知らない明治時代の佐野家初代が写る家族写真や、アマチュア写真クラブに所属していた祖父の写真、親父が撮った母親や幼い僕の写真…佐野家6代の写真が見事に保存されていた。
その頃からかな、意識して撮るようになったのは。ちなみに、写真展「あなたがいるから、ぼくがいる」は、佐野家の写真と僕が撮ってきた写真を藤本さんたちに見ていただいたのがきっかけで実現したのです。
これを撮りたいと思うのはどんなとき?
撮りたいと思う瞬間は、何か心に引っかかるものに出会ったとき!?言葉では説明がつかないから撮るんじゃないですか(笑)。僕はシャッターを押すのが遅いんです。ファインダーをのぞいて、全体のバランスや構図を探り、押そうとするタイミングを計りながら、もうこれ以上はムリというときまで引っぱる。
これって、芝居でセリフを言い出すタイミングを計るのと似ているかもしれません。
今回、フォトブックにするのはどんな写真ですか?
今年(2009年)のはじめに映画「アマルフィ 女神の報酬」のロケで、イタリアのローマに実質1ヵ月近く滞在したときに撮った写真です。
オフの日はもっぱら写真撮影。ローマは街全体が世界遺産で、どこを撮っても絵になる代わりに名所旧跡を写した“観光写真”になってしまう。もっと何げないイタリアを撮りたいと、結構あちこち行って撮りためたものです。こうしてみるとモノクロが多いかな。
特に思い出に残っているのは?
カミさんと娘も呼んで一緒に行ったボマルツォの怪物庭園ですね。
幻想的な雰囲気と怪奇な石像で知られる中世の庭園で、以前、僕たちの敬愛するフランス文学者、澁澤龍彦の本で知ってから、いつかは行きたいと思っていたんです。

そこで不思議な体験をしました。亀の上に何かを載っけた石像を見て、ハッとして。ちょうどローマに来る直前に故郷の松江に帰り、そのとき月照寺という由緒あるお寺を訪ねたのですが、そこで見た石の大亀そっくり!
しかも偶然、それを撮った同じフィルムでボマルツォを撮っていたんです。
・・・ボマルツォの怪物庭園の写真をフォトブックにしよう。佐野さんらしいこだわりが楽しみなフォトブック作り、いよいよ制作開始です。

デジタル、銀塩フイルム、それぞれの個性を使い分ける楽しみ。

ふだんからデジカメともう1台、ナチュラかモノクロ用にクラッセのフィルムカメラを持ち歩いている佐野さん。
![refocus[+] 暮らしと、写真と。](/misc/ci.jpg)







![[作り手]佐野史郎さん(俳優)/[アドバイザー]藤本智士さん(編集者)](img/sano_main.jpg)


